CLICK HERE FOR THOUSANDS OF FREE BLOGGER TEMPLATES »

2007年4月23日月曜日

ヒップホップと言葉の使用

Don Imusの発言をきっかけに、ラップ音楽における言葉の使用が昨今取り沙汰されています。
アメリカ国内では、ニュースだけでなく、ブログなどでも話題になり、アドボカシーグループ、フェミニスト、アクティビストだけでなくラッパーやレコード会社なども順次反応を表明しています。

オプラ・ウィンフリーがタウンホールミーティングを開き、この問題について様々なパネリストが討論に参加しました。


いろんなパネリストがいろんなことを言っています。
細かく見てみましょう。

■Russell Simmons:
歴史的に見ても、それはおかしい。黒人(Black People)が「ちぢれ毛のho」という言葉を生み出したわけではない。アイムスの発言は誰にとっても侮辱的であった」

「ヒップホップコミュニティーは社会の反映として、見落としがちな汚れた部分を表している。バイオレンス、女嫌い(mysogyny)、セクシズムなど。議論すべき必要がある。」として議論のきっかけを生んだアイムスの発言にある種の感謝。また音楽それ自体は、そういった世の状況を作り出しているわけではなく、単にそれを率直に口にしている場である、との見解。


■Dr. Benjamin Chavis
「ドン・アイムスの発言に対してヒップホップには何の責任もない。彼はレイシストでセクシストだ。それをヒップホップのせいにする術はない。」
「かといってヒップホップの肩を持つつもりもなければ、ヒップホップが完全な形態として存在していると言っているわけでもない。もちろん良くしていかなければならない。そのためにはまず社会を良くする必要がある。なぜなら世の矛盾を映し出しているのがヒップホップであるからだ。貧困や不正、女性の不適切な扱いなどがあふれている悪い状態ではいけない。」

■Common:
「ヒップホップは『意識(自我に対して道徳的な統制を行うという意味での意識)』についての話を教えていると思う。俺は聖書についてはヒップホップを通じて学んだ。女性をアップリフトすることもそう。自分の考え方を変えるきっかけを生んだのがヒップホップだった」
続けて、「もうここ300年程度女性が不公平に扱われ続けてきている」という問題を認識。その上で「これ以上続くべきでない」と発言。自身は女性を失礼に扱うラッパーの属には入らないものの、まったくその文化を切り捨てるのには反対した。「俺は自分の仲間と続けていく。そういうタイプのヒップホップと切り離してしまえば、問題もそのまま続いてしまう。」

■Diane Weathers:
「業界に入って、そこでこういう女性を軽蔑するようなやり方を直してと、相手頼みになっても無理。女性が行動をとってはっきりNoと示すことが重要」

これにはSimmonsも同意し、音楽業界やエンタメ業界が「いかがわしい動きを促す」ことはすべきでない、としつつも、意見はどんなものであっても示されるべきだとした。「お互いがポジティブにうまくいくよう意見をもたらすべき」とのこと。

エッセンス誌のDianeが16日の討論のなかで「ラッパーは事後のこと考えた言語を用いるべき。このようなタイプの音楽ばかり続けるのは許容しかねる。そんなことがあれば契約解消する」といったことに対し、Simmonsは「レコード会社なくても売れるものは売れる、契約切られても逆にいいんじゃない?」と。

■Londell McMillan(法律家):
「会社側は、もちろんリリースする作品に関して権限を持つ。コーポレイト アメリカとして成り立っているのだからその間には、アーティスト、プロデューサー、消費者、ラジオといろいろある。そのなかで今回アイムスを首にしたように、ラジオにも変化を起こせる裁量はある」

じゃあ、もし・・・・
Dr.Benjamin Chavez
「もし世の中に負の要因(格差や貧困)がなければ、ヒップホップにおけるネガティブなイメージは解消されるか?」
という議論に発展。
自己の答えとして彼は「問題が解決すれば、家庭でもコミュニティーでもお互い公平により良く接することができる。ただ単にリリックや過激なビデオの映像だけにフタをしたところで問題の根本が解決されなければ、その異臭はいつでも再発し得る。」

そこでコラムニストのStanley Crouchは
「ダブルスタンダードだ。本当に尋常じゃないダブルスタンダードがある。KKKにいた白人は自らを"貧しくて白いガラクタ”と呼んで、社会の底辺にいた人たちだ。 」

同番組の中では、中継でアトランタのスペルマン大学の女子学生も参加。彼女たちはネリーのTip Drillという曲のビデオに反対運動を行ったことで有名です。

「本職のHOかそうじゃないか、学生証をだしてチェックしなくっちゃわからないわ。クラブにいたら、みんなビデオでみたように、女の人たちをHo扱いしてくる。私たちもみんなHoって言われたことあるわ!みんなよ!それはビデオにも責任があるわ。」

こうやって、パネルやゲストを呼んで話す機会を設けているOprahはさすが!と思いますが、なぜ女性MCが一人も発言することないのでしょうか?なぜ今ノリにノってる(笑)女性シンガーやMCの発言が聞かれないことにとても違和感を抱きます。



言葉の使用について言えば、昨年「隣のセインフェルド」に出演していたマイケル・リチャード(Micheal Richards)がスタンドアップコメディーのステージ上で「ニガー」と言った為、非常に議論を醸しました。そのことに続き、Nワードについての議論、abolish the N Wordといったキャンペーンが起こるなどして、NY市では強制力のないNワード禁止の条例案が通過するといった動きがありました。

ヒップホップが売れ、広まっていったことで、いままでより一層議論の対象が広がった勘があります。

0 件のコメント: